ピンクとキラキラ

世界の終わりに寿司が食べたい。

デート

デートという響きが好きです。

 

その特別なお出かけ感に思わずかかとが浮いてしまう。

 

なので逆に、異性との、好き同士のお出かけでなくても、「かかとが浮いてしまう」ようなお出かけを、デートと呼ぶ。

 

たとえば、気の合う先輩(女性)とランチの約束をしても、デート。

その先輩はいつも、おしゃれで美味しいお店を知っている。

誰かに自慢したり、自分がどう見られるか気にして行くのではなく、心から自分のために(あるいは、一緒に行く相手のために)、行くのだ。

好きな雰囲気の空間に、好きな服を着て、好きな人と、好きなものを食べに行く。それら以外をほとんど全て排除して、単純にそれを堪能するためだけに行く休日のランチは、ほんとうに楽しくて幸せなのだ。

そんなランチは、私にとって他ならないデート。

 

 

また、たとえば。

気のおけない男友達を喫茶店に誘う。

映画と音楽が好きな、優しい男の子。吸うタバコの銘柄がよく変わる。

私が読んだ漫画、小説、雑誌の記事、ネットニュース、観た映画、ドラマ、CMの話、きいた音楽の話、うわさ話、世間話、恋愛の話、将来の話、日本の話、外国の話。なんでも、レスポンスがかえってくる。

いつも楽しげに、ひとの話を聞いては、ふぅん、だよね、わかるわ〜、へぇ、なんで?なんて適当な相槌を打ったかと思えば、急に思っていることを感情的に喋り出す。

私は、どんな話がひっかかるかな、などと思いながら、話したいことだけ話す。

コーヒーの匂いと、副流煙を吸い込みながら、とてもいい気持ちになる。

そんなのも、また、デート。

 

片思いの男の子に、ご飯食べに行こう、と誘ったけど、仕事のついでの動物園に付きあわされ、ちょっと退屈かと思いきや(いや動物園は好きなんですけど一人で行きたい派なんですよね)、昼から一緒にビールが飲めちゃったら、そりゃもうデート。

 

とても仲のいい友達と、初夏。海に行きたいな、海に行きたいね、と話していて、心高まっちゃって、行っちゃおうか!となって、衝動的に湘南新宿ラインに乗っちゃって、藤沢まで小旅行、そして江ノ電に乗り換えて観光気分で江ノ島についちゃって、

なんてのもデートでしょう。

 

そういう事を「デート」と称することで、ちょっと特別なことを日常に埋もれさせなくしている気がする。

 

あれもこれもデート。

かかとが浮く。

うん、いい感じだ。