ピンクとキラキラ

世界の終わりに寿司が食べたい。

初恋の呪い

今日から土曜日の学校は午前授業になった。

 

昨日は2日酔いで気持ち悪くて、たくさん寝たのに、寝た時間とは関係なく、授業は眠い。

 

昨日の夢、中学〜高校生のときに付き合っていた男の子が久しぶりに夢に出てきた。

 

大学生まで、どこかしらその男の子との失恋を引きずっていたから、他に好きな人が出来ても、よく夢に出てきては私をものすごく暗い気持ちにさせていた。

 

もはや呪いだった。途中から、私はこの人とじゃないと幸せになれない、とすら思っていて、いつも過去に引きずり戻されていた。

初恋だった。

 

小学生の時に、ありきたりな初恋を経験した。

席が隣で、足の速い男の子を好きになった。小学2年生くらい。

恋に恋するお年頃。

田舎の、とても小さい小学校で、その子はとてもモテていて、なかなか好きだと言い出せなくて、でも何となくお互い好意があることをどことなく感じていた。

 

小学5年生の終わりの、バレンタインに告白した。

付き合う、という意味なんてよく分からないけど、私はあなたが好きであなたは私が好き、という状況をはっきりさせたいがための、お付き合いが始まった。

 

中学生になって、

まだまだ恋に恋していた。

もうその人の一挙一動に目が離せなくて、寝ても覚めても「ああ、好きだなぁ」なんて思ったりした。

血液型や誕生月が一緒なだけで、「運命だ」と早とちりをして色んな占いに一喜一憂したのを覚えている。

 

雨の日に、初めて一緒に下校した。

彼はサッカー部、私は吹奏楽部。部活終わりに駐輪場で待ち合わせて、傘をさしながら自転車を押して帰った。

 

そこから、まあいろいろあって、高校生になってから別れた。

高校は、私が県内トップの県立高、彼は英語が勉強したいとか何とか言って通信制の高校に通った。

結局は、彼は英語の勉強とやらはいつしか諦め、自動車整備の道を歩んでいた。

 

別れた後も、私は、たとえ他に好きな人ができても、どこかで彼の事を思い出して懐かしんで心を痛める自分に、酔っていた。

彼を夢に見たり、彼とデートした場所を通ったり、彼とのメールを見返してみたり。

そんな事を繰り返していたけど、このままじゃダメだとも思った。

結局わたしは彼との青春の思い出に恋していて、これではちゃんと前向きに誰かに恋することは出来ないと思った。

ちゃんと話し合いもせず、お互い好きなのに別れたから、余計踏ん切りがつかないのだと思い、きちんと話そうと思い、大学受験が終わった後に、一度デートをした。

付き合ってたときに、今度行こうね、と言っていて行けなかったところを回った。

そこで、彼は一瞬、居眠り運転をしてしまう。助手席側のタイヤが縁石に乗り上げてすぐ戻った。

怖かった、大げさだけど死ぬかと思った。でも、一瞬、一緒にこのまま死ねたらと思った。

もう、結婚して、ずっと一緒にいることは叶わないなら、今ここで一緒に死ねたらと思った。

すぐそんな愚かな考えはやめたけど、その思いを一瞬でも抱いたということによって、私はそのデートでも踏ん切りをつけられなかった。

 

その後すぐ、震災が起きて、私と彼がデートしたところは、何もかも流されてしまった。

私は、私も彼も、生きていて良かったと思った。

 

東京の大学に進み、東京で暮らし、彼の思い出から解放される日を待っていたけど、全然だめで、一人暮らしの部屋に、彼を呼んでしまった。

映画を一本見て、そのあと、3回くらいキスをした。

あとは夕方までずっと手をつないでぽつぽつと話をしていた。そこでした話は、細かく覚えていないけど、出会ってから今までで、一番濃密な時間だった。

夜の新幹線に乗らなきゃいけないから、と立ち上がって、玄関を出るとき、彼が「ごめんね」って言った。

何のごめんねなのか、わたしはさっぱりわからなかったけど、その夜わたしは本当に枕がビショビショになる程泣いて、泣いて、泣いて、恋を終わりにした。

こんなに簡単に終わらせられるならもっと早く終わらせたかったけど、これだけ引っ張ったからこそ、終わらせられたとも言えると思う。

 

そのあとは、彼の事を思い出したり、昔の同級生から彼の近況を聞いたりしても、すこしチクリとするけど、割と平気で、そうして少しずつチクリに慣れて、私は今の彼氏と恋をした。

 

今でも、夢の中では、彼は私を好きで、私も彼を好き。

夢の中で私の初恋はまだ続いているのかと思うと、すごく暗い気持ちになる。

 

彼はいま、私の家のとても近所で暮らしている。

婚約している彼女で、同じ中学の後輩だった子と同棲している。

 

私はいつまで初恋の夢を見ているのだろう。

はやく夢の中でも失恋してしまいたい。

 

とても情けなくて、ヤンなっちゃうね

 

私の初恋の話でした。

恋