ピンクとキラキラ

世界の終わりに寿司が食べたい。

ドラマを最近観るようになった話

高校生までは、ワンクールに1つくらいお気に入り(というより、1話を見始めて続きが気になってしまって毎週見るようになった)のドラマがあった。

あとは、趣味が似た友達に勧められて観たドラマも、TSUTAYAで借りてきて観たドラマもあった。

 

一人暮らしをするようになって、テレビは、1人で暮らす音の寂しさを紛らわすBGMと化した。

映画が好きだったので(詳しくはない)よくレンタルビデオショップで借りてきたDVDは観たけど、ドラマはその時間に毎週テレビをつけているか、録画を予約しなきゃいけなかったので、なかなか観なくなってしまった。

 

特に働きだしてからは、深夜ドラマさえ毎週観ることが難しいような毎日だったし、周りにリアルタイムでドラマを見る人もいなかったので、なおさら観なくなった。

 

 

実家に帰ってきて、仕事・家事は20時には終了するようになった上、両親がドラマを習慣的に見る人たちだったので、毎クール話題のドラマは自然と録画されていた。

 

そんな時に始まったのがTBSドラマ「カルテット」だった。

 

カルテット DVD-BOX

カルテット DVD-BOX

 

 

東京ラブストーリー「Mother」それでも、生きてゆく」「最高の離婚」等の脚本を担当した坂元裕二の、原作なしドラマ。

その作品のうち、「私たちの教科書」だけ観たことがあった。

ちょうど、志田未来谷村美月伊藤沙莉あたりと同年代、彼らの役と同じ同じ中学生だったのもあって、熱心に観ていた。

その記憶だけだったけど、脚本が「私たちの教科書」と同じで、かつ、メインキャストが松たか子満島ひかり高橋一生松田龍平という最高なラインナップだったので、ものすごく久しぶりに、始まる前に毎週観ることを決めた。

 

これがめちゃくちゃ面白かった。

予告で唄われるこのドラマのジャンルは「ラブ・サスペンス」だけど、そんな安っぽいジャンルなんてはるかに超えた、セリフのやりとりで編み込まれていく人間関係のドラマに引き込まれたひとりだ。

 

昔なら、クラスメイト等に「このドラマ面白いよ、」と勧めて、毎週観るたびに感想を言い合うくらいのものなのだけれど、今では両親くらいしかそんな人はいない。

それでは寂しいので、ツイッターで「#カルテット」の検索をかける。

すると、みんな感想をリアルタイムで呟くこと呟くこと。これまでそんなことはしてこなかったので、とてもびっくりした。

 

これが良かった。

ドラマの鑑賞を趣味としている人などは、考察が細かく、台詞の1つ1つに注目してストーリーや人間関係を解釈する。その巧みなこと。

今まで小説を何度も読み返すことでやっと見えてくるようなことが、このカルテットでは(ツイッターと同時進行で見ることによって)幾十にも重なって多彩なドラマになってくる。

もちろん、それは坂元裕二の、人物一人一人、セリフ1つ1つが丁寧なドラマの構成ありきなのだけれど、それを読み解き、解釈し、坂元裕二の言わんことを読み取る視聴者の方々の優秀さには感服する。

読解力もさることながら、それを文章にするボキャブラリーと表現力よ!

そりゃあ、私の渾身の読書感想文がはしにもひっかからないはずだわ。(昔の話)

 

そのなかでも(注目度とともに)飛び抜けていたのは、ヒコさん(青春ゾンビ)のレビューである。

 青春ゾンビ

あえて、話題にしがちな(「ミゾミゾします」など)部分にはあまり触れず、ドラマやその他ポップカルチャーに対する造詣の深さ、決して軽くないミーハーさを感じ取ることができる、注目ポイント。

私なようなヒヨッコミーハー野郎には出来ないような、時代と、傾向と、優秀な(というのは否定の余地が少ない)予測によって、また豊富なボキャブラリーと柔軟な発想、時代に即した広い価値観、そして坂元裕二への敬意によって、織りなされる、スラスラと読めてしまう文章。

全てが素晴らしく、カルテット視聴者の多くの心を掴んだ。

(途中から読者数がグッと増えて、プレッシャーもあったことだろうに、最終話まで書き上げてくれたことに感謝の念がやまない!)

 

そんなこともあって、今やドラマの鑑賞と、ツイッターのタグ検索は切っても切れない関係にある。

タグ検索がなかったら、今でもドラマを観ているかどうか分からない。

いろんな人が、自分と同じものを見て、どう感じているか知ることの喜びを久しぶりに感じている今日この頃なのです。

 

また他人のそういう喜びに少しでも加勢したいので、自分も、感想を恥ずかしがらずに発信していきたい。(と思いつつ、感じたことを上手く文章に出来ずもどかしい。)

 

朝ドラのひよっこが、今私の中でトップランナーだけれども、今日から始まる「過保護のカホコ」も楽しみだな。

 

 

しかし、坂元裕二のドラマは、他のドラマと比べて頭ひとつ出ている気がする。

セリフ1つ1つへの丁寧さが違う気がする。

気がするだけかな。

カルテットを見て、今まで「映画の方がひとつひとつのシーンや台詞にかける時間が長いし丁寧だ」という固定概念を崩された。

 

すっかり坂元裕二のファンになってしまった。

最高の離婚TSUTAYAでレンタルして観たので、次は「それでも、生きてゆく」を観よう。

 

さ、勉強します〜

 

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 ↑星を見上げている私(幽霊風)

休みの余韻が抜けないと辛いですね〜〜!!!